03/抱き寄せキスしてせがんで愛して



あ、凄い発見。ゆっくり挿れると中の凹凸が分かるんだ。
断続的に来る快感に耐えながら、挿れていく綾小路に向けて笑む。

「う、ぅ、ぁっ」
「全部入ったねえ。今、この辺りかな」

臍の辺りを撫で回すと、ぶるりと小さく震えた。

「はは、いーい眺め」
「や、ぁ、あっやっ」
「足閉じたらきっついよ?この体勢だと」
「ぅ……ぐっ」

僕の上で足を全開にした状態、いわゆる騎乗位ってやつだ。少しでも動かせば重力が無駄にかかってしまう。

「はぁーっ…は…は……おなか、苦し……熱」
「そうだねえ、じゃあ暫くはゆっくり動かす?」
「ん、ンっ」

首を縦に振って、僕の腹に手をついた。
そのままゆっくり、中に収めた異物を抜き出そうと腰を動かす。少しの微動でも感じる綾小路の顔を見るのが好きな僕は、静かに事を見守った。

「あ、ぁあ、あ――っ……」

動くたびに中で擦れるのがいいのか、口の端を伝う涎も拭かずに悦に入る。
そこから進展がないと流石に辛いので、折り曲げた膝を軽く叩いて続きを促す。あくまでもやるのは綾小路だ。自分で招いたことは自分で後始末することを覚えさせないで、甘やかしたら今後こういう展開が起こりかねない。その前に防止しておく、うん、僕って頭いい。

「ナカまで届いてるから気持ちいいでしょ」
「は、は、こっ、これ…気持ちいいけど……つかれる……」
「いつも頑張ってる僕の苦労分かった?」

ん…、申し訳なさそうに頷いてくれた。素直に反省したご褒美に肌蹴たシャツの裾で涎を拭き取ってやる。ちらちら覗く胸はいい具合に熟れていた。

「でも……深く繋がってるってすごく分かる……」
「…………」

殺し文句を言う綾小路の口を塞ぎたい衝動に駆られたが、迂闊にも興奮して中で膨張した熱のせいで平静を装い続けることが出来なかった。

「あ」
「…………覚悟しろよ」
「何を言ってるんだ……」



「俺はとうに……覚悟できてるよ」



最後に吐いた言葉で保っていた理性が簡単に砕け散った。その後は、もう本能の赴くままに何度も貪り合ったことしか記憶にない。気が、する。



*



カーテンから漏れる光で朝だと把握した。

ちかちか目に当る光を避けるべく、寝返りを打つと綾小路の寝顔が目に入る。
そういえば泊まりに来たんだったけ…ぼんやり記憶を思い返していくうちに、段々恥ずかしさが込み上げてくる。け、ケダモノすぎて最悪だ!若気の至りとはいえ、最悪すぎる!!自分の顔を両手一杯に覆って嘆くとつんつん手の甲を人差し指で突っつかれた。

「あん?」
「風間」

こっそり指と指の間から覗くと、いつの間にか起きた綾小路が此方を見つめていた。
すごく、すごく、しあわせそうな笑顔を浮かべて。



「…………おはよう」



あんまりにも、あれ、あれだ、あれだよ。

恋人的な展開すぎて。
ぐわああああああっ、一気に顔が煮え滾るように真っ赤になる自分がいた。













これから、どうなってしまうか考えて怖くなった。













2010/09/01  絆されてるのはどっちもどっち、っていう。