02/暇つぶしにすらならない日常
生徒達の手によって先程と逆の立場、綾小路が上に乗らされる形になった。
というより、騎乗位を強いられたといった方が正しい。入り口付近で亀頭を少しずつ埋め込む度に痛覚と快感が二つ入り混じる。
「は、ア、ぁあッ」
「あっ、スゲ。熱い」
「先生。ほら、腰落として、落としてー」
後ろから両肩をぐっと押されて自然に腰を落とす形になり、中の侵入をより一層促す結果をもたらす。
「いぎっ、ぁ!あ!」
「マジでスゲー、ギュウギュウ絡み付いてくんだけど!うわーコレやばい、やばいって、すぐイきそう、はぁっ」
「やっ、ふか、ひっ、深いっ…いっ……あっあ、ああっ、そんなに動かさないでっ…あ――!あっっ」
伝わる刺激が大変気に入った生徒は、綾小路の哀願を一切無視して動きを早くした。無理に突き進む容量が範疇を超えて、ゴリゴリと内壁を擦っていく。その感触が大きな快感に繋がり、教室の中という認識も忘れて引っ切り無しに声を荒げた。
「あああっ、や、んあ、あ――!あ――!」
「それでいいじゃねーか、早く代われよ。俺だって挿れてェんだぞ!」
携帯の音、腸液に絡みつく音、擦れる音、何か硬いものに当る音。
様々な音が耳に纏わり付き、快感で沢山に満たされた身体。思考が溶ける。とける。
「そう、せっつくなよ。下が空いてないなら上があるだろーが」
「じゃあ、左手貰おうっと」
「あ、ずりー!右手貰う!」
「先生。握って、握ってーあ、音楽教師なだけにすごい綺麗な指ですね。きもちいー」
腕を掴んで握らされた上、亀頭を撫でさせられた。急なことに頭がついていかず、されるがままに、べとべとと先走りが白い手を、指を更に白く汚していく。
「あァあ、あ、え、あっ」
「贔屓せずにみんな可愛がってやってくださいよー。ね、先生」
「平等に可愛がるもんでしょ?そうじゃなきゃ嫌われますよ。せんせー」
「ガチガチでしょ?わかります?俺らこんなにも綾小路先生のこと好きって分かりますよね?先生見て欲情してるんですよ」
「うっ、ン!」
握らせたまま、咥えさせようと口元に亀頭を押し付ける生徒に加え、後ろから髪に昂る性器を絡ませて擦り付ける生徒も出てきた。一つしかない身体に、無理やり空いてる箇所を次々と狙っていく。
「はぁ〜先生の髪すごい、サラサラ〜」
「ずっと扱いて欲しいって思ってたけど、マジで実際経験するといいわこれ。クセになりそ」
気分を良くした生徒は血管を浮き上がらせた裏筋を上下擦るよう、手を重ねたまま動きを促す。意識的に動かしていなかった為、爪が掠る。
「センセーの指使い、たまんね…あ〜〜〜イキそっ」
「んっ、おれも……」
「あ、あああ、あっ、あ、あ―――ッ、ッ、」
色々な所から絶え間なく与えられる壮絶な快感に耐えられず、有りっ丈の声を上げた。絶頂に共感するかのように他の生徒達も精を綾小路に向かって沢山吐き出した。
「ふ、は、あ、ああ……あっ……ぁ、んぅ……」
「は〜〜きもちよかったぁ」
「んじゃ次、俺なー。せんせーバックでいいですよねバック」
「ぇ、あ、ぁ待っ……」
「何、驚いた顔してるんですか?言ったじゃないですか、平等ですよ、びょ・う・ど・う。まさか生徒一人分受けて終わりだと思ってたんですか?わー最悪ですよソレ」
勝手に言葉を並べて、勝手に責任を押し付けて、未だに繋がっていた生徒から引きずり出された。一際大きな水音を立て栓を抜かれ、すっかり拡がった後孔から生臭い精液が収めきれずに流れ出る。
「んんッ…ぅ、き、きもちわ……あっ」
「大丈夫ですよ〜すぐに俺ので塞いであげますからね!」
すぐに頭を床に押し付けられて、ふわりと舞う埃に眉を顰めた。そちらに気を取られている中、腰を突き上げるような体勢に整えさせられて一気に羞恥が溢れる。
「うわ〜見てみろよ、すげーエロい!せんせーお漏らししてるみたいで、かんわいい〜〜」
無理やり拡げられた後孔を指で更に拡げられると赤と白で妖しく輝く腸内から、ごぷりと腸液に混じった精液が床を水溜りに変えてゆく。ぽたぽたと音が耳についた。
「―――ッ!っ、―――やだっ…!」
「やだだって〜。アハハ、かわいいね先生!」
「先生がお漏らしなんて駄目ですもんね。さっさと塞いでやれよ」
「はいは〜い」
締め直す力などなく、すんなり侵入を許した。
二度目だった為、痛みはなく、酷い快感だけが湧き上がる。生理的に出た涙を零しながら耐えることを選んだ。否、それ以外選びようがなかった。
「! あっ、や、あ―――あぁ、あ―――はいって……はい……ッひ……」
何度達したのか数え切れない程の快楽を受け、びくびくと、まだ残る余韻を身に包んで遠い目をする綾小路の周りを囲み、上から見下ろす。
「せんせ〜いっぱい撮ったんで、また今度もお願いしますね〜」
「特別授業楽しみにしてまーす!アハハ!」
「バラされたくなかったら分かってますよね?学校の裏サイトとか、もっとやばいっしょ?」
「綾小路先生、明日、学校休んじゃ嫌ですよ。僕たち寂しくて死んじゃう〜」
「ぎゃははは!ウサギかよ!かっわいくね〜〜〜!!」
「……ぁ……」
一斉に笑い出す生徒達の言葉を、綾小路はただ呆然と聞いていた。
*
「―――っての、したい」
「…………………」
はぁあぁ、と隣で机に突っ伏しながら盛大な溜息を付く友人を物凄く憐れな目で見つめた。
「なに、おまえ、欲求不満なの?」
「痛い目で俺を見んな」
「そりゃそうだろ……お前……ここ共学だってのに、よりによって先生。しかも男」
痛い目しない方がおかしい、と付け加えてこめかみを押さえた。
「うん、男なんだよなあ……?惜しいよなあ……綺麗な顔してるのになあ……」
可愛いよりも美人が好きなんだ俺、なんて誰も聞いてもいない情報を告げられても困る。ついでに真面目で融通が利かないのが堕ちるのが最高にツボだと人差し指を立てて此方に身を乗り出す。
「何よそ見してる」
「って!」
「あ」
授業を聞かずに、不審な行動を起こす生徒に気付いた先生は短くなったチョークを投げつけた。
「いてえ〜〜っ…相変わらず怒った顔も綺麗っすね、せんせー!」
「廊下に立たすぞ」
「ひでー!!そういうの体罰って言うんですよ!PTAとかに言ったら先生の立場」
「そんなものに怯えながら教師なんてやってられるか。さっさと黒板に視線を戻せ」
「はいは〜い!いつでも先生見てますよ〜〜!」
手を横に振りながら一応、承諾する。再び授業を始める先生の注意をそらしながらこっそり隣の友人へ呟く。
「……実行に移さなくてよかったよ」
「いつかしたらどうしよう」
「犯罪起こさないことを祈っとく」
2010/08/12 夢エンドってすごくハッピー!下らない妄想で終われるのが実にいい笑